2004年1月15日に、衆議院会館会議室にて「国立スポーツ科学センターにおける市民のための利用を守る会」として、石井誠一代表以下、総勢11名で、文部科学省に対して平成8年の「合意書」及び新聞報道の信憑性についての確認と質問を行いました。藤田幸久衆議院議員、福田伸樹北区議会議員に同席していただきました。

 前号の「西が丘ニュース」で紹介した新聞報道にあるように、文部科学省は、オリンピック選手の育成・強化をめざすナショナルトレーニングセンターを北区西が丘地区に建設する計画を進めています。用地取得費用の一部として、平成16年度予算に41億9400万円が計上されています。

 「守る会」としては、ナショナルトレーニングセンターが新たに建設されることで、現在の「国立スポーツ科学センター」における一般市民よる利用の道が閉ざされることがないよう「確認と質問」を行いました。

 現在の「国立スポーツ科学センター」は、トップレベルのスポーツ競技者の強化をスポーツ科学の面から支援する機関として2001年10月に設立されましたが、その前身は「国立西が丘競技場」です。「競技場」は、生涯スポーツのモデル施設として作られ、市民スポーツ施設の少ない都市部にあって、都内はもちろん、埼玉、神奈川県などの市民からも親しく利用されてきた施設でした。

 そのために、かつて「国立西が丘競技場」の一般利用の道が閉ざされようとした時には、「西が丘競技場を今のまま残す会」が発足し、わずか1か月ほどの間に5万名もの存続署名が集まりました。その結果、平成8年5月に、「残す会」、北区、板橋区、文部科学省の間で市民利用に関する合意が交わされました。

 今回の「確認と質問」は、ナショナルトレーニングセンター建設にあたり、これまでの合意事項を引き続き遵守することを文部科学省に要請したもので、これを受け、文部科学省側は、引き続き遵守する旨を明言しました。ナショナルトレーニングセンター建設に関して、その概要と内容について、事前に地元に対して説明がなかったことを認めました。なお、文部科学大臣あての署名(平成16年1月15日現在で7,800余名)は、後日、正式に渡すことになりました。ご協力ありがとうございました。また、署名活動時代は継続していきたいと思っております。

文部科学省側との質疑・応答の概要

●文部科学省・北区・板橋区・残す会とで交わした合意書は守ってくれるか?

(答弁)「合意書」は遵守する。

●ナショナルトレーニングセンターを西が丘の地に出来ることは本当ですか?

(答弁)事実である

●ナショナルトレーニングセンターの構想は?

(答弁)ナショナルトレーニングセンターとしては、バレーボールやバスケットボールができる大きな体育館、400メートルトラック、200名収容規模の宿泊施設の三つは、必須の施設である。

●そうした施設は、どこに作るつもりなのか?

(答弁)大きな体育館と宿泊施設は、現在の「サブ・グラウンド」(土のサッカー場)をつぶしてそこにつくる予定。メインサッカー場とテニスコートBはこのまま残す。400メートルトラックは、文部科学省が自衛隊跡地を買収しており、そこにつくる。国語研究所の跡地については、買収の目途は立っていない。

●「サブ・グラウンド」は、現在も市民によって利用されている現実がある。

サブ・グラウンドの「代替地」を文部科学省は責任もって用意するつもりはないのか?

(答弁)現在は、考えていない。

●(福田議員)400メートルトラックを自衛隊跡地に作るというのは唐突で、寝耳に水だ。自衛隊跡地の利用に関しては、住民も参加して北区の「まちづくり」計画の一環として利用について考えてきた。

(答弁)北区と相談している段階である。

●ナショナルトレーニングセンターの体育館などの施設は一般市民にも開放されるのか?

(答弁)あくまでも、トップアスリートのための施設であり、選手優先になる。一般の利用は考えていない

●合意書に明記されている「スポーツ科学センターの一般利用を守る」ということの意味は、一般利用を盛んにし、より市民に愛される施設にすることでは?

(答弁)そういう運営面での要望は、直接に「スポーツ科学センター」につたえて欲しい。

● 再度確認したい。これからも合意書についての約束は守ってくれますね?

(答弁)未来永劫とは言えないが、これからも守る。

●最後に今まで話し合ったことについて、再度ここで、確認の意味の署名を頂きたい。

(答弁)それは出来ない。今までそのようなことは、やったことがない。

国会議員の藤田先生や北区議の福田先生の前で約束したことなので、信頼して頂きたい。


当日の参加者

文科省 渡辺淳平 成瀬幸宏 南博徳 長尾隆史

国会議員 藤田幸久 北区議員 福田伸樹

西が丘 石井 小沢 土屋 野村 和田 貫井 篠宮 田中 浅井 柳下 石井